こんばんは、くまです。
ドルアーガの塔 悪魔に魅せられし者をクリアしました。
ドルアーガの塔と言えばビデオゲームです。
1984年にアーケードに登場した作品で、各フロアに隠された宝を見つけながら60階の塔を登り、ドルアーガという悪魔を倒すアクションゲーム。
色々な機種に移植されており、今遊んでもかなり面白い、くまの大好きなゲームのひとつです。
でも、ここに書いたドルアーガの塔 悪魔に魅せられし者というのは、初版1986年に東京創元社から発刊されたゲームブック。
恐らくゲームブックを知っている人はほとんどいないと思います。
ゲームブックとは、読者が自ら選択肢を選択することでストーリーを変えていくことができる、コンピュータゲームと小説を融合したような本です。
それで、このドルアーガの塔 悪魔に魅せられし者はコンピュータゲームのドルアーガの塔をモチーフに書かれた作品で、ゲームブックの中でもかなりの名作と言える作品なのです。
少なくとも、くまはそう思っています。
ゲームブックと侮るなかれ。
ラノベなんかよりも、はるかに小説としてきちんと書かれています。
くまは以前ラノベを読んで、酷い文章でがっかりしたことがあり、それ以来ラノベが好きではありません。
その本は今までくまが読んできた小説とは異なり、素人が書いたような文章でした。
内容が面白いかどうか以前に、文章を書いて収入を得る人が書くようなものではありませんでした。
まあ、ラノベの全てがそうではないのかもしれませんが。
この悪魔に魅せられし者の作者は鈴木直人先生。
文章も素晴らしく、小説として見ても面白い。
この本には、エキゾチックな雰囲気と言えばいいのか、東洋と西洋を混ぜたような独特の匂いがしてきそうな、そんな世界が描かれています。
元のビデオゲームは西洋のファンタジーをモチーフとしている作品ですが、この本は原作に独自の世界観を加えた作品になっていると思います。
ゲームブック ドルアーガの塔は3部作で、第1巻の悪魔に魅せられし者は塔の1階から20階までの冒険が描かれています。
主人公のギルは、人間の生活圏から出てモンスターの生活圏に入り込みます。
そこは人間よりモンスターの方が強い世界であり、人間はモンスターの奴隷として扱われています。
場所は塔の中で迷路のようになっていますが、その壁に囲まれた世界では数多のモンスターがモンスターとしての生活を営んでおり、その中で塔に侵入したり捕まったりした少数の人間が生き延びている、そんな世界が文章で見事に描かれています。
また、虎井安夫氏の挿絵も素晴らしく、物語の雰囲気を上手く表現しており、想像力が掻き立てられます。
そんなゲームブックの名作、ドルアーガの塔3部作、興味のある方にはぜひ読んでもらいたいものです。
オリジナルは東京創元社版ですが、数年前に創土社から発行されています。
現在ではkindle版があります。
何故か創土社版が異常に高価ですね。
ということで、今日は以上です。